エネルギー環境教育支援プログラム
埼玉県 神川町立青柳小学校
キーワードは「おおぐい」?!
3つの作戦で、冬の効果的な節電を考えよう!
2011年12月17日(土)、埼玉県児玉郡神川町立青柳小学校の全校児童と保護者を対象に、NPO法人企業教育研究会・千葉大学3年生の太田貴之さんによる、エネルギー環境教育「冬の節電」の授業が行われました。

博士といっしょに電気を学ぼう!
本日の最低気温は約4℃。吐く息が白くなるような寒さのなか、青柳小の児童たちが体育館に集まりました。
「みなさん、おはようございます。電気博士…いや、電気博士になるために勉強中の太田貴之です。今日は助手の2人といっしょに、電気のことをいっぱいお話したいと思います」
博士風の白衣を着た太田先生や助手役の竹内正樹さん、川村一矢さんたちの楽しい自己紹介に、子どもたちの笑いがこぼれます。
「今年の3月11日、東日本で大震災が起きました。原子力発電所の事故が起こり、使える電気が少なくなったため、夏はみんなで節電をしましたね。じつは冬も、暖房によって電気をたくさん使うため、節電が必要です。今日は“冬の節電”を考えてみましょう」
imgNPO法人企業教育研究会・太田貴之先生からの質問に、元気よく手を挙げる青柳小の児童たち

作戦1は「おお○○をさがせ!」
「冬の節電を実行するため、いくつかの作戦を考えました。まず、作戦1は“おお○○をさがせ!”。いったい何かわかるかな?」
太田先生の問いかけに、「おおトロ!」「おおなみ?」「おおさか!」など、口々に答える児童たち。
「正解は“おおぐいをさがせ!”です」という答えに、みんな大爆笑。
「ぼくも大食いですが、今回は人間の大食いではありません。電気を大食いするものを探して、電気の節約をする作戦です」
なるほど、電気をたくさん“大食い”する電化製品を知っていれば、より効果的な節電ができるというわけです。
「では、みんなで電気を大食いするものを探してみよう!」
調べる電化製品は、白熱灯、LEDライト、ラジカセ、サーキュレーター、ドライヤー、電気ストーブの6つ。
「大食いはどれかな? まずはみんなで予想してみましょう」
児童たちは「LEDライトは大食いじゃない」「サーキュレーターは大食いしそう」など、自分の意見を出し合いました。
img今日の授業で発電実験に挑戦する、6人の児童たち。それぞれ意気込みを語ります。

自転車発電機を使って実験開始!
大食いの予想が出たところで、さっそく自転車発電機による実験開始!
電気を大食いするものは、動かすことができないはずです。
代表の児童たちが交代で自電車をこぎ、発電に挑戦した結果、ドライヤーと電気ストーブ以外は、動かしたり、灯りをつけたりすることができました。
「ドライヤーと電気ストーブは、電気がつかないから、大食いですね。じゃあ、なんで大食いなんでしょう?」という先生の問いかけに、「温かい風が出るから?」という答えが返ってきました。
「そうです、ドライヤーと電気ストーブは“熱”を使うから、電気がたくさん必要になんです。ここで、電気製品のW数について考えてみましょう」

「自転車発電機は、約70Wの発電ができます。W数が大きいほど、電気をたくさん使います」
先生が教えてくれた“大食いランキング”は次の通り。
第6位:LEDライト(5W)
第5位:サーキュレーター(20W)
第4位:ラジカセ(30W)
第3位:白熱灯(40W)
第2位:電気ストーブ(800W)
第1位:ドライヤー(1000W)

児童たちは電気ストーブとドライヤーのワット数を聞いて、
「えーっ! そんなに大きいの?」とびっくり。
「そう、熱を出すものは大食いなんです。そこで、ポイント1“節電は、熱を出すものをねらおう”。電気ストーブにドライヤー、エアコンなど、熱を出すものをなるべく使わないようにすることで、効果的な節電ができるんです」
imgドライヤーはまったく反応なし。小さいけれど、大食いだったんですね!

作戦2は、「く○○」で熱をとじこめろ!
「エアコンや電気ストーブなどの暖房は、熱を出します。暖房を使わなければ、節電になりますが、やっぱり寒いですよね。そこで工夫が必要です。作戦2は“空気で熱をとじこめろ!”です」
すると、助手の先生2人がいつの間にかダウンジャケットを着ています。
「ふわふわのダウンジャケットって、とても温かい。なぜなら、空気がたくさん入っていて、熱を外に逃がさないからです」
本当に空気は熱を伝わりにくくするのでしょうか? 先生の研究所で実験したアルミ棒の映像を見てみると、棒の右側についた火はあっという間に左側へ移動しますが、棒の真ん中に空気の隙間があると、そこから先は熱が伝わっていないことがわかります。
「ポイント2。空気をたくさん閉じ込めるように服を切ると、熱が逃げにくくなり、温かくなります」と先生は説明します。

作戦3は、「冬もか○をおこせ!」
作戦1では、電気を大食いする製品、作戦2では、空気を閉じ込めるように服を着て温かくするコツを知りましたが、やっぱり寒さが厳しいときに暖房は欠かせません。
「さいごとなる、作戦3は“冬も風をおこせ!”です。エアコンといっしょにサーキュレーターを使って部屋の空気をかき混ぜましょう!」
先生たちが研究所で作ったアニメーション映像を見ると、どうやら、温かい空気は上に昇り、冷たい空気は下に溜まったままのようす。サーキュレーターを使って空気をかき混ぜれば、部屋全体が温まり、エアコンの設定温度を下げられることがわかりました。
「エアコンの設定温度を2℃下げると130W使用電力が減るのに対し、サーキュレーターの使用電力は20Wなので、 こちらの方が節電になりますね」

今日の授業を終えて、4年生の女子児童は「毎日お風呂上りにドライヤーを使っていますが、こんなに電気を大食いするのを知ってびっくり! これからはタオルで髪の毛をしっかりふいて、なるべくドライヤーの時間を短くしたいです」、6年生の男子児童は「身近に使っている電化製品のW数を知ることができてよかった。家でエアコンをつけるときは、サーキュレーターといっしょに使って設定温度を低めにし、効率よく節電しようと思います」と、それぞれの感想や、冬の節電への意気込みを語っていました。


指導案
ねらい ・冬に必要とされる節電について関心を高める
・自転車発電を用いて、電力消費量の多い製品を体感的に知る
・どのような衣服の着用の仕方や生活の仕方が望ましいか理解する

時間 授業者の活動 生徒の活動 授業の様子
5
冬の節電

・今日の授業のテーマ(節電)を伝える

・夏季の節電の要請を思い出させ、今回の授業では冬季の節電について考えていくことを伝える

・冬季の節電には3つのポイント(作戦)があることを伝える

 

・今日の授業のテーマを知る

・冬にも節電しなければならないことを知る

15
作戦①「【大食い】をさがせ!」

・電気を大食いする(電気をたくさん使う)製品をあまり使わないようにすることが大切だと伝える

・電気を大食いする電気製品を知るために、自転車発電を行い、製品が動く(光る)か確かめさせる

※自転車発電機の発電量(70w) →自転車発電で動かないものは電気をたくさんつかうものだと説明する

・熱を出すものが特に電気を使うことを説明する

 

・自転車発電機を使い、家庭で使っている電気製品の電力消費量を体感する

【動くもの】
白熱灯、LEDライト、ラジカセ、サーキュレーター

【動かないもの】
ドライヤー、電気ストーブ

・熱を出すものが特に電気を使うことを知る

10
作戦②「【空気】で熱をとじこめろ!」

・電気を使わなくても暖かくなる方法があると伝える

・ダウンジャケットなど空気をたくさん閉じこめる衣服を着るとあたたかくなることを伝える

・空気の層により熱が閉じこめられる様子をサーモグラフィの画像で確認させる

・部屋でも同じようにカーテンや二重窓を使って、空気が逃げないようにすることが有効だということを伝える

 

 

・節電のための衣服の着方のポイントを知る

・映像を見て、熱の伝わり方確認する

・部屋における節電対策を知る

10
作戦③「冬も【風】をおこせ!」

・部屋の中でサーキュレーターを使うと、冬季は寒くなりそうだが、実際は暖房の空気が拡散され、暖かくなることを伝える

・暖房の空気の拡散の様子をアニメーションで確認する

 

 

・アニメーションを見る

 

5
まとめ

・節電するための作戦3つを振り返る

 

・節電するためのポイント3つを振り返る



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授業が終わって・・・
授業を受けた児童たちの感想


モデル授業案
 理科(2011年)
 理科(2010年)
 社会(2010年)
 総合(2010年)