大人も思わず夢中になる、
楽しい実験とDVDを活用したエネルギー環境教育の実践
「これからの小・中学校で、エネルギーと環境を組み合わせた授業を取り入れることはとても重要な課題であると思います。今日はここに、物理に詳しい理科の先生もいらっしゃいますが、ぜひこの時間は、6年生になった気持ちで授業を受けてみてください」

鷲見先生の楽しい話術で授業が進みます
「豆電球だと思います。豆電球は小さいから」
「豆電球。モーターはパワーがいるような気がします」
「モーターだと思います。最初についたら、ずーっと回るだけだから、あんまり電気を使わない気がする」
「同じだと思う。電気にちがいはないと思うから」
多数決をしてみると、豆電球とモーター、それぞれ半々という予想結果に。
「さまざまな意見が出ましたが、これは、生活体験に基づいた予想であり、科学的ではありません。今度の新学習指導要領では、もう少し実感をもった予想をしてもらうのがねらい。ですので、まずは発電機を豆電球とモーター、それぞれに直接つないでみて、それからまた予想をし直してみましょう」
実際につないでみると、「あ、モーターはけっこう軽い」「豆電球はちょっと重く感じるなあ」など、いろいろな感想が出てきて、多数決をとると、今度はモーターのほうが長持ちする、という意見がやや多くなりました。
楽しそうに実験をする先生方鷲見先生は「じつはどちらが長い、ということは、あまり重要ではありません。自分で作った電気が光になったり、モーターとして回ったりするということを実感するほうが大切。ある見通しをもち、実証をともなう理解、ということがねらいです」と話します。
ここでDVD「ようこそ!エネルギー図書館へ」の「第2章 身近なエネルギー『電気』」を視聴。鷲見先生は「それぞれのエネルギーには、よいところもあるが、欠点も多い。このDVDは子どもたちに、いろいろな考えをもたせるヒントになると思います。電気は欠かせない存在だが、環境にやさしくするために、自分たちは何ができるかを考えさせるのも、エネルギー環境教育を深めるよい機会です。子どもたちからは、節電のアイデアや実際に試してわかったことなど、いろいろな意見が出てきます」とご自身の担当するクラスを例に語りました。
豆電球はどのくらい点灯するでしょうか?| ねらい | ・エネルギーとしての「電気」を理解し、発電のしくみを知る |
■教師のはたらきかけ
□児童の学習活動 |
指導・留意点 | デモ授業の様子 | |
| 0 分 |
■モーターの回転と豆電球の点灯、 どちらが同じ電気で長持ちするのだろうか。 □これまでの体験から、どちらが 長持ちするか予想する。
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・これまで使ってきたモーターと豆電球を使うことで、これまでの体験をもとに考えることができるようにする。 |
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□手回し発電機を50回回して、コンデンサーにためた電気で、豆電球とモーターのどちらが長くもつか、実験する。 |
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| 20 分 |
■電気を作るのは大変だね。 |
・火力・水力・原子力・風力・太陽光・地熱発電等があるが、発電量が一番多い火力発電について考えてみる。 |
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| 30 分 |
□火力発電の仕組みを予想する。 |
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□ビデオを見ながら、わかったことをワークシートに記入する。 |
VTR【理科編】第二章 |
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| 40 分 |
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・2時間続きの授業で行えば、一つ一つの活動をじっくり行うことができる。 |
電気を発生させたり、電気を蓄えたりすることを理解することができたか。
6年生の電気の学習をきっかけに、エネルギー環境教育を考えさせるとよいなと思いました。今日受けた鷲見先生の授業を参考に、この映像教材を活用してみたいと思いました。
私の学校では、米づくり、絶滅危惧種のサンショウウオの保護活動を通して環境教育をやっています。6年の最後に環境についての自分なりの考えを発表させます。その発表の中にはエネルギーに注目しているものがあるので、エネルギー環境について考える子の参考になるよう映像を見せてもよいと思いました。今日はありがとうございました。(小学校教諭・女性)
子どもたちに、限りある資源をいかに大切に使っていくのかを考えさせる、よい教材ではないかと思いました。視覚的にとらえられるのもよいと思います。
モーターと豆電球の比較は行ったことがなく悩みました。子どもたちの中で、モーターを使っている身近な物は…と考えたときに、ミニ四駆しか出てきませんでした。生活経験からの話し合い、予想をさせるためにも他の物でも比較させたいなと思いました。確かに子どもは視覚的に分かりやすいものに興味をもつため、思考の部分も大切にし、今後の理科教育につなげていきたいと思いました。(小学校教諭・男性)
今日は分かりやすい講義をありがとうございました。6年生を担任しているので、理科・社会科の授業で活用させていただきます。今の子どもは「エネルギー」という言葉は知っていますが、詳しくは知らない子ばかりなので、早く見せたいと思います。
特に興味がわいたのは総合です。子どもに考えさせる、選択させるということで、どんな意見が飛び出すか楽しみです。
私自身もエネルギーに対して無知なことも多いので、この講義で驚いたこともたくさん ありました。自分も勉強していく必要があると感じました。(小学校教諭・男性)
とても興味深く聞かせていただきました。これを使って授業がしたくなりました。ありがとうございました。家に帰ったら、すべての映像を見てみようと考えています。
今後もこのような会があったら参加したいと考えています。 (小学校教諭・男性)
「こういうものかな?」とイメージしていたものとは、少しちがいましたが、学校にかえって、若い先生方にぜひ、DVDを見せて、エネルギーの授業を積極的に行ってほしいと思いました。もし、自分が授業で行うとしたらというイメージもふくらんだものでした。(小学校教諭・女性)
身近なエネルギーと環境教育を合わせて考えるという考え方を初めて聞き、明日の実践に生かせそうだなと感じました。
理科・総合の分野で頂いたDVDを活用できそうだなとイメージが湧いたのですが、社会編はどこで使うとよさそうかな、というイメージが出て来ませんでした。
授業では、やはりおもしろくて、考えることができるというのが一番だと鷲見先生の授業を体験して思いました。ありがとうございました。(小学校教諭・男性)
私自身、高校で「物理は難しい…」という、捉えにくさを覚えたことを、今日思い出しました。しかし、今日紹介された「エネルギー環境教育」の授業はとても興味深く、楽しく受講させていただくことができました。
導入のモーターvs豆電球がおもしろかったのはもちろん、一番印象に残ったのは1日に家庭で使う電気量が手回し発電機100台で24時間分!というところです。思わず学年中の子どもたちで寝る間も惜しんでグルグル回す光景を思い浮かべて笑ってしまいました。その後、「現実と葛藤を子どもに起こさせる」という、便利な生活を捨てるかという葛藤や、理想に走るのではなく現実を示すという考え方は勉強になりました。
今日、授業を受けて、実感をもって学ぶということが子どもたちに強い印象を残すことを痛感し、その大切さがよく分かりました。(小学校教諭・女性)
環境教育とエネルギー環境教育のちがいについて環境教育において当然エネルギーの話も出てくるが、「石油を燃やすことで二酸化炭素が増える」というように抽象的な話で終わっていたように思う。どのエネルギーを使うとどのような問題が起こるのか、そのエネルギーを作るためにどのようなものが必要なのか、といった点を強調していくと、エネルギーと関連づけた環境教育になっていくと思う。
エネルギー環境教育への取り組みについてエネルギーと環境を結びつけた話は、理科教師が必要感をもって行うべきであるのに、受動的なスタートになってしまったのが、残念。まだ、知るべき情報を十分もっていないように思う。
DVD映像について構成等、とても分かりやすいので、ぜひ使いたい。(小学校教諭・男性)
10年くらい前から、環境エネルギー教育は必至だと思っていました。教科の中に取り扱われるようになってきて、ホッとしているというか…(国策レベルで必要だと思っています。)
正しい情報が必要だと思うが、いろんな考え方、見方があって、正確かどうなのか判断ができない。(エネルギー、環境の問題はお先が暗くなってしまう内容が多い。温暖化一つでもいろいろな考え。)情報の入手の仕方は?
考えるきっかけになりました。また、やってみたくもなりました。ありがとうございました。(小学校教諭・男性)
エネルギー環境教育という言葉をはじめてききました。ぜひクラスや学校でとりくみたいと思いますが、カリキュラムや時間表を思い、ふみこめずにいます。授業内容を精選し、来年度は行えるように考えていきたいと思います。
外国の環境エネルギー教育のありかたをもっと知りたいと思いました。
どうしてもオープンエンドで終わってしまう将来にとまどう部分があります。「子どもたちにたくす」で終わってよいのか、評価はどうすれば、と考えていたので、子どもたちの未来に何が必要かを吟味したいと思います。
先日、「理科は準備がたいへんだからいやだ」という先生の声をききました。このような
DVDはたいへん有効であると感じました。お忙しいなか、貴重な時間をいただき本当にありがとうございました。(小学校教諭・男性)
小学校の児童にとって、映像を視聴することは楽しみであり、高い意欲を持たせることができると考えています。紹介していただいたDVDを効果的に活用し、子どもたちと一緒に環境について考えていきたいと思います。
鷲見先生の授業では、改めて、環境教育の重要性を感じました。
理科の時間で、実験を通し、学習した上で、今後どのようにエネルギーと向き合っていくとよいかを、考えさせていきたいと思います。ありがとうございました。(小学校教諭・男性)
今年度、名古屋市若手海外派遣研修というもので、ドイツで環境教育について学んできました。エネルギー環境教育に力を入れているのを目の当たりにし、エネルギー環境教育の必要性を感じるとともに、今までの自分の実践に足りない部分であると感じました。
6年生の「電気の利用」や、他学年の環境の授業で感じるのは、環境と便利さの葛藤です。LEDが環境にとってよいといっても、コンデンサーを使った実験では、明るさを実感できなかったり、風力発電の実験では、あまりはっきりとした成果が出なかったりと…。体験だけではなく、ディベートやパネルディスカッションで話し合うことを大切であると考えています。
もう少し早くDVDを知っていたら、様々な場面で活用できたかなと思います。(小学校教諭・男性)
参加させていただいて、エネルギー(電気)を貯めてという点に工夫を感じた。中学校ではエネルギーの移り変わりということが中心になってくることにも利用できる教材だと思う。教えてもらったメーターの付いたコンデンサーもぜひ探して使ってみたいと思う。
小学生にとっても、中学校で行うエネルギーの移り変わりにつなげていくヒントとしても、効果的だと思われた。
エネルギーを直接体験させ、実感を伴った理解につなげていく授業展開を、DVD映像の活用も取り入れながら考えたいと思った。(無記名)
導入あるいはオープンなまとめで、こうした映像教材を用いることは有効に思います。ただ、やはり理科の教員としては、子どもたちにエネルギーの大切さ、貴重さを実感させる活用の工夫が課せられた宿題であると再認識しました。自分は中学校ですが、これまで中学で扱っていたような内容でもあるなと思ったと同時に、中学でも生徒の活動のあり方の工夫が根本の課題だと思いました。どうもありがとうございました。(中学校教諭・男性)
経験値に基づいて、日常知からの導入、体験を伴った授業を経て、理解できたことを、映像(DVD)をつなぎとして、改めて日常につなげていく、という考え方にはとても共感ができた。既製の映像は、私が授業をしていたころは、あまり使わないようにしていました。(小学校教諭・男性)
今日はありがとうございました。
課題の与え方、問題意識のもたせ方、予想のさせ方など、とても勉強になりました。
エネルギー環境教育はとても大切かつ難しいものだと感じています。社会全体の構造、価値観などを変えていくには、まず、個人の考え方が変わる必要がある、ということは「教育」の力ですね。「環境にやさしい」という言葉がよく使われていますが、やさしい訳ないですよね。DVD、授業で使ってみたいです。(小学校教諭・男性)
知っているつもりでも迷ってしまう内容はたくさんあることに、改めて気づくことができました。実際に手を動かし、自分の予想を確かめることの楽しさを、子どもたちに伝えていけたらいいなと思いました。
小学から中学への電気単元の橋渡しについては、どこまでを伝えたらよいか、まだよく分かりません。中学では電気についてどのような内容を指導するのかを確認し、どういったことで、子どもがつまずくのかをはっきりさせることが必要なのでしょう。
名古屋では、小中の交流も少なく、中学の学習内容をよく知らない教員もいるので、こういったセミナーをきっかけとして、中学の学習内容が小学からどのように発展していくのかを見つめ直していくことが必要な気がします。
本日は忙しい中、鷲見先生には楽しい授業をしていただけてよかったです。ありがとうございました。(小学校教諭・男性)
発電機の手応えでエネルギーの大きさを体感するという方法は、わかりやすかったと思います。今回使った豆電球とモーターは、あまり使える時間に差が出なかったので、もう少し消費電力の大きい電球の方がよいと思いました。
DVDの内容は、つい最近、中学3年生で授業を行いました。中学生でも発電の仕組みがわかっていない生徒が多く、充分使えると思いました。
小学校でも定量的な実験が増えると、思考も直感から理論への移行がスムーズになると思いました。中学で理科から離れていくのは、計算や数式が出てくるあたりからです。(電気、化学式で特に…)
理科室でのエネルギー実験は誤差が大きく、生徒が誤解しがちです。ビデオ教材などで正しいデータを示した方がよいかなと思うことが、今までにもありました。(中学校教諭・男性)
理科を教える立場としては、「自然エネルギー=環境によいもの」を教えているだけでは不十分に思います。自然エネルギーを使った発電も、化石燃料を使った発電も、仕組みは同じだというところから、「エネルギーを利用している現状を変える」か、「エネルギーを生み出す科学技術を生み出す」かを、選択していかなければならない現実に直面させていきたいと考えます。(小学校教諭・男性)
手回し発電機100台で24時間、の説明があったが、クラス全体で30台でみんなで回して、電気器機(掃除機、オーブントースター)を動かすなどすると、実感がつかめるのかも。(小学校教諭・男性)
電気の単元が6年生に入ってきたが、他の単元との結び付きなどが分かりにくいと感じていた。エネルギー環境教育としてかんがえることで、単元の意義が分かりました。
地球温暖化の影響の映像で南極の氷が溶ける映像は、本当に正しいのかという批判をしている学者の方もみえます。環境問題には様々な見方があり、どのように子どもに伝えていくとよいのか、私自身迷っています。(小学校教諭・男性)
エネルギーを環境問題と関連づけて授業を組みたいと思ったし、組めそうな気がしてきました。「実感をともなった理解」という言葉に未だに戸惑っていますが、日常につなげることも、環境につなげることも、卒業を控えた6年生にとっては大切だと思いました。
ただ、指導要領によると、おもちゃづくりが必要なようです。やっぱり「実感をともなった理解」という言葉に悩まされます。(小学校教諭・女性)